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「なんで東京なの?」
純粋に疑問に思って質問すると、
サクラは照れながら
「今まで会ったことのない人がいそうだから」と、
答えた。
彼女は、勇敢だ。
見知らぬ世界に飛び込もうとしているのだから。
恐れはあるだろうがそれ以上に、
未来に期待しているのだと思う。
それにひきかえ、
俺は臆病者だ。
失敗すること怖くて、
将来に希望を持たない努力を必死でしているのだから。
「ハルは何がしたいの?」
サクラが尋ねる。
その瞳は澄んでいた。
俺は何がしたいんだろう。
人に言えるほど立派な目標があるわけではない。
大学にだって、
みんなが行くから何となく行こうとしているだけだ。
俺が黙っていると、
サクラは俺を見つめて言った。
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