第一章 サクラ-1

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今日は土曜日で半日しか授業がない。 しかし、 生徒会の役員である私は授業後の会議に出席しなければいけなかった。 とんだ災難である。 帰宅部である私はヒマだろうと半ば無理やり、 生徒会に立候補させられ書記をしていた。 生徒会なんて柄じゃなかったが、 高校に入学したてで新しいクラスメートから期待の目を向けられ(立候補する人が一人もおらず、 帰宅部から選出される流れにあらがえなかった)、 書記ぐらいならと引き受けたら見事、 というか残念ながら当選してしまったのだ。 一ヶ月後の体育祭に向け我々、 生徒会は暑い教室で熱い話し合いを続けていた。 熱すぎて途中で脱落者が出るほどに(私だけじゃない)。 正直に言って、 生徒会の仕事が嫌いなわけではない。 生徒会に入って友人や知り合いも増え、 中学までの自分よりずいぶん社交的になったと思う。 しかし、 今までクラスの話し合いなどに積極的に関わってこなかったことが災いして、 私は会議の場でどういう風に振る舞えば良いのかわからず戸惑うことも多かった。 そのためか会議の後は他の人の倍以上、 疲れを感じていた。
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