2人が本棚に入れています
本棚に追加
男の子はやってられない、とでも言いたげに肩をすくめて言っ
た。
「あのな。お前...とてつもない世間知らず阿呆みたいだから教
えてやる。夜の街は危険なんだよ!襲われるっての」
「あぁ...ん、阿呆ってのは聞き捨てなんないけどさ、世間知ら
ずは認めるよ」
ふっ、と微笑んで言うと、男の子は驚いたように目を丸くした。
「やけに素直なんだな」
「んん...じっさいあたし世間知らずの箱入り娘だし。知らないこ
とばっかだしね」
そう。あたしはあの大きくて狭い屋敷の中でずっと暮らしてい
た。
守られてて恵まれてる境遇なのは知ってる。でもさ...。
「つっまんないんだよー!」
「うわっ、お前急になんだよ!?」
あっやべ、声に出てた。
最初のコメントを投稿しよう!