第1話 自由な毎日を。

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男の子はやってられない、とでも言いたげに肩をすくめて言っ た。 「あのな。お前...とてつもない世間知らず阿呆みたいだから教 えてやる。夜の街は危険なんだよ!襲われるっての」 「あぁ...ん、阿呆ってのは聞き捨てなんないけどさ、世間知ら ずは認めるよ」 ふっ、と微笑んで言うと、男の子は驚いたように目を丸くした。 「やけに素直なんだな」 「んん...じっさいあたし世間知らずの箱入り娘だし。知らないこ とばっかだしね」 そう。あたしはあの大きくて狭い屋敷の中でずっと暮らしてい た。 守られてて恵まれてる境遇なのは知ってる。でもさ...。 「つっまんないんだよー!」 「うわっ、お前急になんだよ!?」 あっやべ、声に出てた。
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