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そして更に奥を見れば、何やら灰色の狼らしき生き物に追われているようだった。
「なんだが追われてるみたいねぇ。どうする?」
「知るか!爺さんに俺は興味はない。」
秋元 修一。男には微塵も興味がない。
あえて馬車を見ないようにソッポを向く。
だが蓮二こと、レンちゃんは何かを発見する。
「あっ、でも馬車に乗っているのは女の子みたいよ。」
「何!!!?それを早く言え!!」
修一はレンちゃんを押し退け、再度向かって来る馬車を見つめるが、そんな姿は見当たらなかった。
そもそも少女が馬車の中に居たとして、逃げているにも関わらず顔を外へだすだろうか?
「おい。そんな姿は見えないが。」
ジト目でレンちゃんを見る修一。
「あら?けど、さっき確かに見たのよ。」
惚けた様に切り替えすレンちゃん。
修一は考える。そしてもう一度レンちゃんに確認する。
「本当に。本当に見たんだな?」
「えぇ、本当よ。」
「仕方ない。俺が片付けてやろう。」
「大丈夫なの?」
「あのクソジジイが言ってたろ!?身体能力を少し上げるってな。どれだけ上がったか試してやろうじゃねぇか!」
修一は急にやる気を出し始め、手を鳴らす。
レンちゃんはペロっと舌をだした。
ガタガタガタ!!
「くっ、このままでは姫様に危害が‥。」
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