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――三日前――
一年の中で一番昼が長く、太陽の高度が最も高くなる夏至は毎年一度、訪れるのだから、珍しくもなんともない。
けれど、今年の夏至は一味も二味も違う。
何故なら、夏至・十三日の金曜日・満月という三つの条件を満たした、神秘的な赤い光を放つ「ハニームーン」と呼ばれる珍しい月が見られるのだから。
ハネムーンを想像させるハニームーンは、その発音だけでもどこか幸せを運んできそうな月だけれど、これを日本語にすると、蜜月。
これは「親密な関係」を意味する。
まるで愛し合う者たちの為のロマンティックな天体ショー。
そんな奇跡的な月を恋人と一緒に眺めたいというのが女心。
ここにもまた、そんな恋する乙女が一人いた。
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