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「ハァハァハァ……た、たまらんっ! もっとだ。もっとぉ――」
薄汚れた路地裏の一角で、興奮したような男の荒い息が響き渡る。
「うふ。そぉんなに慌てないでよぉ~。貴方、そこで腰抜かしてるオネーサンと、イケないことしよぉ~としてたクセにぃ~」
時刻は既に深夜。
住宅街の中にある飲食店はとっくに閉店し、人の気配がなくなった店舗の裏口のすぐ脇にある業務用のダストボックスに背を預け、地べたに尻もちをついている女がいた。
ブラウスのボタンはいくつか引き千切られ、はだけた前を隠すように両手で自分自身の体を抱きしめる彼女のストッキングは破れており、髪の毛はボサボサ。
俯いているせいで表情はよく見えないが、声を抑えて泣いているのか、小刻みに震え、時折スカートの上に滴が落ちている。
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