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今にも湯気がでそうなほど赤面した彼は、乙川が自分の頬にキスしようとしていたことを察してパニック状態。
「あの、その……ええええ……どどどどうしよう」
両手で顔面を隠してアタフタする彼を見て、乙川は、「もうヘンなことしないから、立とうよ」と、微笑んだ。
「え? は? ち、ち、違うよ。へへヘンなんかじゃないよ。えっと、あの。その。こ、心の準備というものが……あ」
本心では彼女とキスしたい。
なんなら、キスどころか、あんなことやこんなことをしたいと日々妄想特急爆走中な面堂は、乙川の言葉を「もうキスなんてしないから」と受け止めてしまい、狼狽えながら顔を上げると、間抜けな声を出した。
彼の異変に気が付いた乙川は、「なに?」と、振り返ったところで、いきなり口の中に何かが飛び込んで来た。
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