第一話

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「オマエッ! 処女のクセにオトコに盛ってんじゃねぇよボケェッ! お陰で、寄生しそこなったじゃねぇかっ! このアホちんがぁっ! 大事に膜をとってんじゃねーよ! 純潔なんて、まったく潔くねぇ……潔くにあらずで、不潔だっつぅんじゃ! もっと欲望に忠実に生きろよ! オマエ、人間だろぉ?」  巻き舌で捲し立てられた彼女は、一瞬、頭の中が真っ白になって放心状態となった。  顔面妖怪の怒りは留まる事を知らず、延々と愚痴を述べているうちに、彼女の口に張り付いていた部分も、主の元に同化していた。
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