第二話

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 なんせ、相手は、手を握るどころか、下手したら目と目を合わせただけでも鼻血を吹き出してしまう特異体質。  今はまだ、肩を並べて登校するだけでもよしとするしかないと、自分のささやかな欲求を抑えようとした。 『うっわ。キッモ。自分がしたいことも言えないとか。ホント、付き合ってんの? ないわー。マジでないわー。それとも何だ? 手を繋ぐっつーのは、地球だと性交渉を意味すんのか?』  頭の中で反響する声に、ドキンと心臓が跳ね上がった。  それは、自分の心が読み取られた羞恥心からではなく、この声が周囲の人間――主に、面堂に聞こえているんじゃないかという焦りから。  恐る恐る横を見れば、「ところで、病院は学校の帰りに行くんだよね?」と、既に別の話題を投げかけてくる彼の様子を見て、その心配は杞憂に終わったようだった。
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