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クパァッを開かれた口から覗かせるのは、ヌタウナギのように二重になった鋭い歯。
そして、その奥から細く、先端が二股に分かれた蛇のような舌がチロチロと表れた。
「アグッ」
拒絶するような声を漏らす女の目から溢れる涙を、美味しそうに舐めると、「ジミだし、色気がたんねぇけど……怯えた顔はたまんねぇ~なぁ~」と、舌舐めずりをした。
「あら、だめよぉ。よそ見しちゃイヤッ」
意識を他の女に持っていかれたことで、拗ねたように頬を膨らませ、両脇から自分の胸を寄せて、谷間を更に強調させた。
顔の向きを変えた男は目を見開いた――いいや、徐々に大きくなっていく目は、半分眼球が飛び出したような格好となり、目の中では急激な細胞分裂が行われているかのように、ブツブツとした小さな個眼が増えていく。
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