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あと数十センチ。
あと数センチ。
怪しい汁をだだ漏れにし、あんぐりと開けた口がヌルリニョロリと近づいてくるにつれ、顔を歪め、背中を反らす乙川の頬に、研ぎ澄まされた爪先が食い込んでいく。
赤い滴が頬を伝わるが、皮膚を抉られる痛みなんかよりも、未知なる刺激を携え、迫ってくる奇妙な動きの暴れん棒将軍から目を放すことが出来ない。
両腕と首はダークパスのタコのような腕に絡めとられ、全く動くことが叶わない。
足や胴体を動かし、何とかソコから逃げ出そうと必死にもがくものの、強力な吸盤によって、逃れることは敵わない。
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