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「くぅぬお~っ!」
苦痛に顔を歪めた彼は、彼女を殺してでも、この状況から逃れようと、五つに裂けた唇を尖らせ、乙川の顔面へ突き刺そうとヘドバンをかます。
――が、人間の姿はしていても、中身は半分ダークゼムだけある。
ダークパスの行動など、お見通しだと言わんばかりに、ヒラリとバク転で躱した。
手を床につけ、ちょうど足が真上に来るところで、足を覆っている部分がグニャリと動いたかと思うと、突如、真っ黒なナイフのような形に変化させ、ダークパスの尖らせた唇をスパッと切り落とした。
「ぐぎゃぁっ!」
遮断面から緑色の血が飛び散るだけでなく、ダークゼムの一部に捉えられたままであったダークパスの雄としての大事な部分までもが、バク転の反動で引き千切られた。
「ぐぎぃぎゃぁぁっ!」
透明な液体と緑の液体が織り成す、なんとも奇抜なシャワーが部屋中に撒かれる。
床の上で股間を抑えてのたうち回るダークパスは、目を真っ赤にして喚き続けていた。
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