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「怒りの欲望もたまんなぁ~い。でも私。手負いの獣であっても容赦しませんから」
言い終わるか言い終わらないかというタイミングで鼬の最後っ屁のように、口から真っ黒なスミを彼女の顔に向けて放ったダークパス。
目潰しにあうことも予想していた彼女は、手で顔を隠すと同時に、レザースーツの袖部分を傘のように変化させた。
「甘いって言葉。そのまんまお返しするわっ」
まさか、跳ね返されるとは思っていなかったダークパスは、防御することも避けることも出来ずに自ら放ったスミを全身に浴びた。
「ふぐわっ!」
人よりも優れた目を持っているが、それだけに、ギョロリと飛び出した彼の目は、スミをモロにかぶって視界が真っ黒。
その隙を狙って、乙川は彼の頭を自分の胸に埋めるように抱え込むと、「πンスープレックス!」と叫び、後方へ投げ飛ばした。
「グハッ!」
落とされた先にあるのは、用なしになった彼のジュニアが作った水溜り。
飛び散る液体。
転がるダークパス。
そして、踏みつけるようにして、その液体を舐めさせるレザースーツ姿の女。
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