乙πダー -零one-

第一話

「うふふ。ソコはまだダァメ」

　ニヤリと口元を上げた彼女はもう片方の手を、男の後頭部へと回すと、再度、彼の顔面を自分の谷間の中へと押しつけた。

「ぬぉぉぉぉっ！　け、けしからん。けしからんぞぉぉぉ」

　言っている台詞とは逆に、テンションマックスで吠えているのは彼が悦んでいる証。

　双丘の間からウネウネと蠢くいくつもの触手は、夢とロマンの詰まったメロンパイに埋もれた男の口から伸びているもの。

　当然、男の昂ぶりと連動し、いきり立つ。

　手首の痛みなど、グリグリと顔面を押し付ける度に、ふかふかとした感触と甘い香りを堪能しているうちに、すっかり忘れた男は、もう我慢できないとばかりに、口の役割をしている触手が女の股に向かって素早く動いた。

　凶悪な歯が彼女の着ているレザースーツを破ろうと襲い掛かる。