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今日はクリスマスイヴ。
シチューにチキン、グラタンと2人で食べきれないくらいに料理を作ってみせた。
私はシングルマザーだ。夫には借金がありその生活に耐えられなくなり離婚した。
だから良太には寂しい思いをさせないように、沢山の愛情を注いであげるのだ。
ーピンポンー
玄関の呼び鈴がなった。時間は夜の8時だ。こんな時間に誰だ。
不安を抱えて覗き穴を見てみると誰もいなかった。ドアを開けてみても誰もいない。閉めようとした時、下に手袋が落ちているのが分かった。
手に取ってみると昼間、良太が無くした手袋だった。
周りを見てみると雪が落ちていた。そして公園の方を見てみると雪だるまがこちらを見ていた。
「ママなにしてるの?」
近くに良太が来ていた。
「あっその手袋!僕の手袋だよ」
「あー雪だるまさんこっち見てるー」
良太が雪だるまに向かって手を振った。
「やめなさい。ほら早く中に入って」
不気味だった。なぜなら公園の雪だるまは昼間、家とは反対方向をむいていたはずなのに今はこちらを見ている。しかも位置も少しずれている感じがした。
「きっと雪だるまさんが見つけてかえしに来てくれたんだよ」
「う、うんそうだねー」
なんて良太の夢を壊さないよう笑顔で答えたが内心は恐怖で溢れていた。
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