始まりから終わりまで

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『いやね? 聞いてくださいよ……最近世知辛くて。日本以外では信仰もまだまだ盛んですけど、それにしても私全盛期には遠く及びません。そこでこんな、今まで受けた想いの中でも屈指の強い願いを受ければですね。話も聞いてみたくなるってものですよ? 何処ぞの奴隷商人が嵐に巻き込まれ死にかけた時に出したヘルプよりえげつなかったですもん、この願い』  そういうもんなのか。  神様にとって、信仰や祈りとはどういうものなんだろうか。存在証明みたいな、なくてはならないものなのか。  実際に聞いてみた。 『ご飯…………ですかね』  ご飯だった。 『無かったら死んでしまう、という意味では空気と言ってもいいんですが。食べれば食べるほど強靭に、より大きくなりますから栄養分かなと』 「ふうん。で、俺がご馳走提供したからシェフを呼びたまえ! したと。何処の食通なんですかね」  リアルにいねーよそんな奴。 『まぁ粗方合ってますね』 「はぁ、成る程? じゃあそれはそうとして、もう用事は終わったのでは?」 『いえいえ、ほら、私神様じゃないですか?』 「まぁ、そうらしいですね」  甚だ認めたくはないが──疑うことも出来やしない。 『信者のお願いは聞いてあげるべきかなー? と思うんですが』 「…………はあ」 『つまりですね、神様の権力で、貴方のその祈り、叶えて差し上げましょう、と!」  …………何?  …………………………これは、もしかすると。 「ど、どんなお願いでも?」 『はい、勿論!』 「……過去改変、とか?」     
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