始まりから終わりまで

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『いえ、確かに今日はウァレンティヌスが処刑された日。私への信仰心が世界中で一層昂ぶるのは道理というものなのですが……それにしても群を抜いて強い想いが、此処から届けられたのです。神に対する信仰心が特に強い中世や古代なんかならいざ知らず、近代においてこんなにも熱心な想いを受信したのは初めてでした。想いの内容こそ分かりかねましたが、興味を惹かれたのです。で、なーにっかなー? と』  軽い! 動機はともかくノリが軽い! ……って、俺からそう見えてるだけなのか。  それにしても、強い想いだと? この教会にはどうやら俺しかいない……いや、裏に誰かいるのかも知れないが、礼拝堂には俺しかいないようなのだが。 「……まさか、俺ですか?」 『いぐざくとりー!』  どんどん知能退化してないか。まぁ俺がそう思ってしまってるから何だろうけど。  さて、強い想い……つまり、リア充死ね、だろう。何てこった。世界中どこ見回しても他に無いような強い想いでリア充の死亡を望んでしまっていた。  ……なんか悲しくなって来たんだが。だってそれ、俺が一番リア充を僻んでるってことじゃん……。世界一童貞の称号を授けられても文句言えないレベルである。 「ま、まぁそれはいいとして……しかしそんな事に神さまが自ら顔を出すなんて、信者が聞いたら卒倒しますよマジで……」     
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