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そうか、道弥といるからか。納得した。
けれどだからといって道弥といるのをやめようとは思わない。道弥は大切な俺の親友だから。だから別に彼女なんか出来なくても………うっ……やっぱりいずれは欲しいかも。
「あの………俺達も許してくれるかな?」
「俺も」
「私も」
はぁ?
気がつくとクラスメイトに取り囲まれていた。
おい、授業は?
教卓には既に一時間目の現国の担任が立っていて、確か猿渡と言ったかな……まだ教師になって2年目のひょろっとした男の先生だ、早くしろよという風にこっちを見ていた。
俺が言うのもなんだが、注意くらいしろよ。こんなんだからゆとりはって言われるんだよ。
「とにかく分かったから、席につけよ」
「じゃあ、許してくれるの?」
「グループにも戻ってくれる?」
そう、メッセージが鬱陶しくて俺は昨日グループから抜けていた。
「分かったから。とにかく授業受けてくれ」
「はーい」
こいつら本当に高校生か?
チラッと前を見ると教師がやっと終わったかという表情で教科書を広げた。
なんか面倒くさい。
だけど一番面倒なのは葛城だ。やっぱり告白は本気だったみたいだしな……。
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