514人が本棚に入れています
本棚に追加
道弥を睨むとハハハと笑顔を向けられた。
「ごめんごめん、ちょっとした冗談だよ」
「…………なあ、今試してみようか?」
「えっ」
「キス。俺がお前に出来たらさっきのは間違いだって証明できるだろ」
「お、おい…………」
道弥の顎に手をかけてゆっくりと顔を近づける。
「目、つぶれよ」
「う、嘘だろ、ちょ………幸太………」
二人の距離が数センチになった時、観念したのか道弥がぎゅっと目を閉じた。
あれ、逃げないのか?道弥の方が体格がいいんだし、突き飛ばせばすぐに逃げられる気がするんだが。
キスか。こんなので本当に愛情かどうか分かるのかな。後少しで触れる唇を眺めていると「ストップ」と言う声が教室に響き、腕を引かれて抱き締められた。
「な、何してるの?ふ、二人は付き合ってるの?」
なぜか葛城君が教室にいて、俺を抱き締めて泣いていた。
とりあえず説明を……と思うが腕の力が強すぎて抜け出せない。
「誤解だから、俺達付き合ってないから」
「俺達?」
「いや、そうじゃなくて………道弥、ちゃんと説明しろ」
最初のコメントを投稿しよう!