それからの日々

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モテモテで恋人もいて、キスなんて慣れてるはずの道弥がまだボーッとしてる。 「おい、道弥、しっかりしろ」 上半身は動かないが足なら……と適当に後ろに蹴ると、何かに当たった。 「痛い。幸太何するんだよ」 おっ、命中。やっと反応した道弥に助けを求める。 「それより葛城を何とかしてくれ、このままじゃ骨が折れる………」 「嘘っ、葛城、落ち着け。ほら、どうどう、いい子だから手を離して……」 葛城、道弥に馬扱いされてるぞ………。 「でも……」 「大丈夫だから。な、俺を信じてくれ」 「森下と幸太君は本当に付き合ってないの?」 「ないから。俺には舞ちゃんと言う可愛い彼女がいるから、だから手を離せ」 やっと葛城の拘束から解放された。あれは抱き締められたんじゃない、拘束だよ。痛すぎる。 痛みを和らげようと腕をさすっていると、葛城が何かを差し出した。 「手袋………俺のだ」 「幸太君が落として行ったから届けにきたんだ。そしたら二人がキス………」 「うわっ、誤解だから。あれは冗談だから。道弥、ちゃんと説明して」 クラスの大注目の中、俺はまた一つ失態をさらしてしまった。
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