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俺にしちゃすごく分かりやすい説明をしたはずなんだけど葛城には今一届いてないみたいで、まだ何かを考え込んでいる。
「言いたいことは色々あるけど、何で森下とキスをしたの?」
「してないから」
まさか葛城の中ではキスしたことになってるのか?
「わかったよ。じゃあ、キスしようとしたのは何で?」
「それは………好きの違いが分からなくなって道弥に聞いたんだよ。そしたらキスが出来れば愛情、できなければ友情だよって教えてくれたんだ。だからちょっと試してみようと思って」
「…………なるほど。幸太君は僕を好きだとは思ってくれてるんだね」
そうなんだけど、それはlikeの好きであってloveじゃない。あれでも、その自信が無くなって道弥に聞いたんだよな………。
「じゃあ森下じゃなく俺で試せばいいじゃないか」
「そうだけど、あれは道也の冗談だから」
「冗談かどうか一応やってみて」
葛城が俺の前にやってきて、目を閉じた。
今まで気づかなかったけど、まつげ長い。肌も綺麗だな。ニキビあとなんて全然ない。鼻もスッとしてるし、唇はカサカサしてなくて柔らかそうって………待って、何でこんなにドキドキしてるんだ?
道也には全然しなかったのに。
あの時は、怒ってたし本気でするつもり無かったからだよな?
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