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「キスが嫌じゃないって事は、僕にもチャンスがあるって事だよね?」
「えっ、そ、そうなのか?」
「違うの?僕は幸太君とだからキス出来たけど、他の人だと無理だよ。幸太君は誰とでも出来るの?」
誰とでも……?
俺は道弥と最後まで出来たんだろうか?多分無理だ。顔を近づけながら早く逃げろ、何で目なんかつぶるんだってずっと思ってた。葛城が止めなくても、自分でやめてたと思う。
思うけど、あの時今みたいに道弥に無理やりされたらどうだったんだろう……。
うわっ、ヤバイ………。
「幸太君、どうしたの?」
「想像したら、鳥肌たった……」
ほらとぶつぶつが浮き出た腕を見せると、葛城が可笑しそうに声を立てて笑った。
「ほらね。幸太君も僕以外はダメなんだよ。安心したらお腹すいてきた」
「俺も。でも弁当教室だ」
「僕も教室だ。取りに行ってる時間がないから購買で何か買って食べよう」
「そうだな………ん……」
えっ、今また………。
「ほら鳥肌出ない。行こう」
葛城は笑いながら鍵を開け、俺と手を繋いだ。
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