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「ただいま。幸太君連れてきた」
「お帰り………って高梨君よね?」
「はい、高梨幸太です。この前は突然お邪魔してすみませんでした」
「高梨君は、相変わらずしっかりしてるわね。ゆっくりして行ってね」
お母さんは俺に微笑んだ後葛城の隣に行き、「幸太君って呼んでるんだ。良かったね」と頭をポンポン撫でた。
「うん。今日は幸太君に温かいグラタンを作ってあげたいから夕飯はグラタンにするよ」
あ、そうか。葛城が台所を使うとお母さんが使えなくなっちゃうんだ。
「葛城、俺は今日じゃなくても」
「だめだよ。僕が幸太君に作ってあげたいから作らせて」
「そうよ、幸太君。おばさんもグラタン大好きだから気にしないで」
いつの間にかお母さんまで幸太君呼びになっている。実はこの親子はすごく似いるのかもしれない。
「母さんもこう言ってるから、いいよね?」
「うん」
「良かった。幸太君ここに座って待ってて」
葛城はソファーに俺を座らせると、コーヒーを出してくれた。
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