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それにしても、と玲奈は思った。
世の中の男は、どうしてこんなにも女を見る目がないんだろう。
玲奈から見て、結菜は「良い女」だと思っている。いや、最高の女性だと思っている。
すこし優柔不断なところはあるが、そんな事は付き合うのに何の問題も無い。
自分に自信がないのだろう、直ぐに諦めようとするが、それは近くに付いてサポートしてやれば、いつも最後まで頑張る。
なによりも優しく、本当にいつも相手のことを第一に考えている。
自分の事は直ぐに諦めようとするのに、誰かに頼まれたことは一所懸命だ。
それに、女性らしいことはすべて苦も無く、そつなく、自然にこなす。
自分が男だったら、そして兄弟で無かったら、間違い無く結菜を彼女にする。
そんな結菜を見いだせない世の中の男どもは、バカではないのかと思っている。
もっとも、結菜は情に流される所があるので、つまらない男に引っかからないかチェックするつもりで、それとなく見張っている。
よほど玲奈のことを頼りにしているのか、なんでも話してくれるので、結菜のことは良く判る。
幸い、いままで、その心配は無かった。
今回、結菜が長い間好きだった人だから、つまらない相手ではないとは思っていたが、隆だとは思わなかった。
それにしても、隆のポリシーは判るが結菜のチョコレートは受け取って欲しかった・・・。
まあ、一時的に受け取っても、何の解決にもならないことは判っている。でも、結菜を傷つけないで欲しかった。
何て声を掛けよう・・・。そう悩みながら家の玄関を開けた。
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