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諦めてベッドの中に入ったその時、スマホがピコンと鳴った。何気なく見てみると、先輩からのラインだった。
慌てて布団から出てベッドに腰をかけた。
緊張して手が震えながら先輩からのラインを見た
。
そこには文字がぎっしり入った長文のラインが表示された。
『~ちゃん。今日は美味しいチョコとマカロン?をありがとう!本当に本当に嬉しかった。下駄箱を開ける前、入ってるかなって緊張したんだ(笑)
今まで貰ったチョコの中で一番美味しかったよ。』
ここまで読んで涙が溢れてきた。
「うそぉっ…!」
『お手紙もありがとうね。~ちゃんの気持ち、本当に嬉しかった。僕からの返事は今は言いません。ラインで伝える事ではないと思うから。だから、3日後、今度は僕から~ちゃんにお返しをしたいと思ってるんだけどいいかな?本当はホワイトデーに返した方がいいと思うんだけど、なるべく早く僕の気持ち、伝えたくて。だから、3日後に~ちゃんの下駄箱にお返しを入れるね。待っててね!
今日は本当にありがとう。夜遅くにごめんね。おやすみなさい。』
読んでいる最中、涙が止まらなかった。チョコとマカロン、頑張って作って本当に良かった。駄目元で書いた手紙に先輩を好きな気持ちを書いて良かった!
3日後、先輩からの返事が来る。
駄目で元々、でもいい返事を期待したいな。
いろんな気持ちが入り交じってその日はあまりよく寝付けなかった。
3日後。学校に着いて緊張しながら下駄箱を確認したけど、まだ先輩からのお返しは入ってなかった。帰りまで待とうと決め、1日過ごしたが授業は身に入らなかった。
帰り際。自分の下駄箱を開けると、上段に小さな箱が置いてあった。
手に取り、まじまじと見つめる。手の中に収まるサイズの箱だった。
嬉しくて跳び跳ねそうだった。
大事に鞄の中にしまい、家への道を急いだ。
家に着き、自分の部屋に入り、鞄から大事にしまった小さな箱を取り出す。
「何が入っているんだろう?」
大事に封を開けようとしたとき、気がついた。
この箱、手作りっぽい。微妙に左右の長さが違っていたり、切った跡があったりする。
そんな事も愛しく思えてきた。
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