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誕生日にはレストランなんかで食事がしたい?
優雅に夜景の綺麗なバーでお祝いされたい?
いいえ、私はゆっくりのんびり二人きりで過ごして、穏やかな1日にして欲しい。
そう希望したら、侑李は自分のマンションに招待してくれた。
侑李は落ち着いた穏やかな人柄で、常に優しく微笑んで、皆に分け隔てなく接する余裕を持つ、完璧とも言える男である。
そんな侑李を、私は独り占めしたい。
外にいれば、その整った容姿は嫌でも人の目を引く。
会社でもものすごい人気で、競争率は半端なかった。
誕生日くらい、多くの人からの視線を気にしない日にしたいものだ。
素敵な一日になることを願いながら、実家住まいの私がたどり着いたのは、侑李のマンション。
広すぎず狭くもない、二人で暮らすにはちょうどいい広さの部屋である。
誕生日にプロポーズしてもらえるのでは、と期待している私は、一緒に暮らす想像までしてしまう。
一度も実家を出たことがない私にとって、大好きな彼と送る新婚生活は薔薇色だ。
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