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「花菜のためなら、このくらい全然大変じゃないよ。ほら、そんなにしたら擽ったいよ」
クスクスと笑う侑李の胸から顔を上げ、腰に手を回したまま上を見上げた。
目を細めて優しく微笑む侑李が、私のことを見下ろし、背中に回した腕でぎゅっと抱きしめ返してくれる。
ああ、もう、何これ。
かっこよすぎて身体が溶けるかもしれない!
大人だ。大人の色気がダダ漏れの男が、今は私だけを映してるよ!
もだもだと悶えている内心を、私はものすごい忍耐力で押し込めて、ニッコリと微笑み返した。
それから、侑李は私の頭をポンポンとあやす様に叩き、指を絡めてソファーまで誘導してくれた。
私の隣に腰を下ろした侑李は、絡めたままだった指を使って、私の手の甲をスルスルと撫でる。
すっかり火照っていた私の身体が、ますます熱くなる。
やだ、もう、会ったばっかりなのに、ここまでの時間だけでも幸せだ。
結婚して、毎日一緒にいたら、あっという間に私の心臓はリズムを乱して、壊れちゃうんじゃないのかな。
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