Third Shot : Rat 3

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Third Shot : Rat 3

 三幸と勇、2人が出会うきっかけとなり、立役者たる唐揚げを買いに昼休み、弁当屋 只唐へと足を伸ばした三幸。  あの日と同じ、二度揚げされた唐揚げを女将から受け取る。 「唐揚げ……カツアゲ? なんて」 「どうしたのよユキちゃん」 「いえ、なんでもないです。ありがとうございます」 「野菜もしっかり食べるんだよ」と、小さなカップに入ったサラダを後から付け加える。愛想笑いにそれをビニール袋へ。  ダン、と音がした。その場にいた客や店員、三幸は動きを止める。遠くで響いた突発音。今更ながら銃社会となって10年。この音に慣れなくては生きていけない。  気のせい、または遠くで何か起きたのだろうとそこにいた人々は日常に戻る。  非日常は突然に、事故のように襲いかかる。  店を出た三幸に、走ってきた男がぶつかり2人とも倒れる。黒いTシャツに赤いカーゴパンツ。同じ服装の男がもう2人、走ってとおり過ぎようとするも立ち止まる。2人は倒れた男を引き起こそうとする。そこに警官が4人現れる 「この、クソが!」  黒シャツ3人の手にはオートマチック拳銃。警官たちへと発砲する。車や電信柱の影、曲がり角へと退避して弾を避ける警官たち。
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