Third Shot : Rat 3

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「てめぇ、起きろ」と三幸は強引に立たされ、ぶつかった男は後ろから首を絞めてくる。人質だ。 「近づいてみろ、こいつぶっ殺すぞ」 「応援を呼んでも殺すぞ。そうだ、お前らの銃をよこせ!」 「早くしろ」  2人が前へ出て発砲し、警官たちを脅す。警官の1人が銃を地面に、滑らせるように黒シャツへと放る。追随して他の警官も同じ事をした。  黒シャツ達は転がった銃へ集中する。隙が出来た。だが、それに反応したのは警官たちではなかった。  一瞬の出来事。  三幸を羽交い締めにした男、そいつが持っていた銃の引き金にかかっていた人差し指がまず折られる。痛みにもがく暇すらなく、背中合わせの状態で相手の首を両手で肩越しに持って背負い投げる。黒シャツ男は空中で一回転して地面に頭を打ち付けた。鈍い打突音に他の2人が気づいて振り返る。  そこにいたのは全身を包む真っ赤なローブを羽織った金髪、サングラスをかけた女だった。 「キ、キラークイーン?!」  女へ照準をつけようとする。そんなことを彼女が許すはずもなく、先ほど背負い投げた男の手からこぼれ、落ちようとしていた拳銃を蹴り上げた。胸の前に出していた手にすっぽりとはまり、間髪無く2発。男達の拳銃を撃って弾いた。それでその銃は弾が切れてしまう。     
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