Third Shot : Rat 3

3/7
前へ
/31ページ
次へ
 残るは地面にある警官達の銃、KQはスライドが上がったままの銃を上から投げる。すると地面の銃をビリヤード玉みたくこれも弾いてしまう。  数秒の間。  男2人はお互いに目配せし、KQを避けるようにして道の端を通って逃げ出す。倒れた男を文字通り叩き起こして二人がかりで連れ去る。待てと叫びながら警官2人が銃を拾って追いかける。もう2人は残り、同じく銃を拾うもその銃口はKQへと向けられる。 「キラークイーンか? 抵抗するな。確保だ」  左右に分かれて警官が近づいてくる。  この間、三幸はもはや案山子(かかし)だった。何も出来ず、何も言わない。KQと警官の間に挟まれてしまったのだ。なにができると言えるだろうか。  KQは指を差す。三幸の頭を目掛けている。  ジリジリと近づいていた警官の足が止まった。そこでKQは指す方向をすぐさま道の何もない方へと変える。なんだ、と戸惑う警官のコンマ何秒、視線が指した方向へむいてしまう。  そこでKQローブから真っ黒なブーツを穿いた足を出し、ドスン。 「わっぷっ!」  三幸は横っ飛びする勢いで蹴り倒された。  警官達は咄嗟に三幸を受け止めざるを得ない。気づけばKQの姿は遠くに。そして曲がり角に消えてしまう。     
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加