0人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女、勇ガラントの極短髪の金髪は僅かに揺れた。髪を耳にかける動きをするも不自然さがあった。それは彼女の髪がスポーツ刈り並みに短いからだ。かけるほどの髪の長さが無い。それに気づいたのか眼鏡をかけ直す。
その動作は、耳に入れたインカムを押し込むためのフリだった。
「見つめられちゃってー、モテモテだねぇ、うちの女王陛下ってば」
インカムから掠れた女の声がする。軽薄で、心ない、人を馬鹿にする事になれた声。
緑色のアンダーフレーム眼鏡、その縁を指で押す。するとレンズに画面が浮かび上がった。その映像はフレームの耳がかかる部分、モダンと呼ばれる箇所の先端に着いているCCD映像だった。そこに映る三幸と目が合う勇。
最初のコメントを投稿しよう!