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今年のバレンタインは特別。
好きな人がいるバレンタイン。
甘いもの食べれるのは、リサーチ済み。
手作り本命チョコをあげたいの。
彼は喜んでくれるかしら。
上手くチョコ作れるかしら。
放課後彼の家へチョコを持っていく。
静まれ私の心臓
「ドキドキドッキドキ」
震える指で彼の家のチャイムを押す。
「はーい!どちら様?」
多分彼のお母さんの声だ。
ますます緊張する私。
ここはしっかりご挨拶しなくちゃだ。
「クラスメートの由記と申します。一君はご在宅ですか?」
やった咬まずに言えた!
第一印象大事だ。出禁とか嫌だもん。
「ガチャ」ドアが開かれて、一瞬目が合った気がする。
私今笑顔できてたかな?
彼のお母さんどう思ったのかな?
「はじめ~!お友達よ!」
階段の方へ声を飛ばすお母さん。
どうしよう?「ドキドキドッキドキ」
お母さんに聞こえたらどうしよう。
彼に聞かれても困る。
今すぐ逃げ出したいのをぐっと堪えて、
笑顔作る努力を続けていた。
彼を見るなり、押し付ける様に紙袋を渡した。
「失礼します」一礼して私は逃げる様に家路へ着いた。
わが子ながら中々やるわね。
家にチョコ持った子が来るなんてね!
聞きたいけど聞けないわ。
息子の恋路が気になって仕方ない。
でも、ここはぐっと我慢よね。
口出ししたら、息子に嫌われるわ。
女の子なら恋バナとか出来るのかしらね。
彼の思いはどこにある。
彼女と彼の母は想いを馳せる。
彼は沈黙したまま、進展なし。
ホワイトディーまで一か月待つしかないのか?
淡い初恋ヤキモキするのもおつなもの。
彼の母は、お返しの相談来るの待っている。
でも、彼女で三人目なのよね。
もてる息子を持つとハラハラするわ。
毎度初めてのフリをして息子呼ぶ。
誰が本命なのか気になるけど聞けない。
私が本命じゃなくなる日は近いのかしら。
息子の成長嬉しいけど、ちょっと寂しくもあるが、
バレンタインが大好きな母であった。
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