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……だがしかし。
女子どもはなぜか俺たちの方へやってきた。
「鈴木、浜野。毎回チョコもらえないんじゃ可哀想だから、コレ、あげる」
「こっ、これ!?」
「感謝しなよ? あたし達の、特別なチョコなんだからね!」
「カイ先輩みたいに、あたし達も平等にみんなに優しくしようと思ってさ。ね、頑張ったんだから、今食べてみてよ!」
女子どもが開けた箱には、ツヤツヤと綺麗で美味しそうな見た目のチョコが綺麗に整列している。
「食べて食べて」と可愛い声でねだられ、俺とケンゴは震える手でチョコを一粒持ち上げた。
雪よ。
雪よ。
明日は素晴らしい日でありますように……。
ー完ー
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