俺たちの復讐

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俺たちの復讐

 今年の2月はいつもより寒い。  全国のさまざまな地域で積雪が観測され、俺の周りでも雪の話題で盛り上がっている。  しかし俺の住む地域は比較的温暖な気候だ。 だから、雪の話題で盛り上がっていても、実際にこの地域では雪は降っていない。  この地域の人が盛り上がるのは 「こんなに全国で雪が降っているのだから、いよいよここにも雪が降る」 という雪への憧れの話題だ。 「14日に雪が降れば、ホワイトバレンタインになるよね! そうしたらめっちゃ感動的なバレンタインにならない!?」  バレンタイン。 その言葉だけで俺の体感温度は一気に10度下がった気がする。俺の隣にいる浜野ケンゴも、同じ現象が起きたのだろう。ケンゴは机の中身が飛び出すほどガタガタ震え始めた。 「ケンゴ! 大丈夫か!?」 「タ、タケシ……今年も、また……クル……きっとクル、きっと……クル……季節はしろ……く」 「ケンゴー!!」  白目を剥きながらもちゃんとホラー映画のテーマソングをワンフレーズ歌うタケシは、割と芸達者だ。
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