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文字を打つ事がだんだんともどかしくなってきた。
もういっそ話した方が早いんじゃないか?
そう考えて、思い切ってLINEに書く。
「あのさ、声聞きたいって言ったら聴かせてくれる?」
「……それって今?」
「そう。今...」
文字での会話が止まった。彼からの返事が来ない…
「Skypeでもいいんだけどさ…」
さらに文字を打ってみた。
「まあ、PCに落とせばできるから、待って」
「分かった。ごめんね、無理言って... 」
「いや、大丈夫よ?(Skypeダウンロード中)」
不意に彼からのLINEが入った。
「あ………マイク、ない…USBじゃない奴しか家にヘッドセットない」
「じゃあ、Skype無理じゃん。携帯に入れてある?」
「ないよ」
「電気屋に行けばヘッドセット売ってるよ?」
「あのさ、こんな夜中に行くと思う?って言うか店やってねぇよ」
「だよね...じゃあ、LINEの通話しかないか…」
「充電しながら話すかな」
その後、LINEで話をしたが、結局はあたしの一方通行な想いでしかなかった...
何度か逢う事もあったけど、なんか気まずくて、まともに顔を見れなかった。
ライブのステージの上に立つ彼を見る時も、直視する事は出来なかった。
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