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(稀に見る実に良い子だなぁ…辞めないように今後ともトイレの清掃に身だしなみを徹底しろよ。オレ。)
「あっ、全然気にしなくていいんだよ。一応客がいなければ基本休憩時間みたいなもんだし。そもそも事務所ではオレだってケータイ使ってるからね! それと、もしよかったらどんなゲームか見せてよ! ほら、今時女子もハマるゲームなんて気になっちゃうっていうか……今度の合コンのネタになるかもだ!」
(なかなかのフォローから話題の良い切り出しだったんじゃないか? これは次回にも繋がる偉大な一歩だ。よしよし。)
それを聞いたアルバイトの少女は「いいですよ」と桃色の兎をかたどった、キモカワなアクセサリーに指をかけてするりとスマホを引き上げ、その画面を男に見せた。
何気ない日常の会話で、行動のはずがその男には鮮明に記憶を焼き付けた。
男に理由はわからない。その時はよくある目眩の類だと感じることとしたが、これは間違いなく男にとって運命の瞬間だったのだ。
「ザ・キングオブコモナー……?なんか矛盾した名前だね」
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