序章「ゲーム(リアル)」

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 レジにその額1800万円と表示されるのを確認し、店長はやはりその男を疑いの眼差しで見つめてしまう。  客の正気を疑ってしまっていた。  客か、あるいは自分が詐欺にでもあっているのかと心配になった。  だが、しかし、返事が「大丈夫です。クレカでお願いします」と返ってきた。  騙されているというような雰囲気ではなく常日ごろの行いのように。  昼食のおにぎりを少し奮発して生ものの入ったやつにしたり普段はコンビニでは買わないやや高価なデザートを購入するよりも当然のようにカードを通したのだ。  店長にはもはや止めることはできない。  この男の愚行を御することはできないのだと自分を納得させ、暗証番号を求めた。  全ては一陣の風のごとくただ男は買い物を済ませたのだった。 「ギフトカードか、どうせならホットスナック買い占めてくれればいいのにね」 (1800万円分も準備できないけど……)  男は脱力感を抱きそうぼやいた。  店長は帰宅すると一目散にPCを起動した。  日課としてネットサーフィンをしているが、今日ばかりは久しぶりにネットにスレッドを立て情報を集めたいと思ったのだ。  スレッドを立てて夜食の準備をしていると通知音が響く。 「レスだ」と呟きながらテーブルの前に腰を下ろし、その応えに彼は驚きのあまり声が漏れそうになった。     
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