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友へ
貴方と初めて出会ったのは小学校2年生の時でした。
近所に越してきた転校生。最初はそれだけだったのに、家が近いから。
毎日遊ぶうち、親友になっていきましたね、
私の生きてきた中で、あなたほど、心が許せる友達はいなかった。
「まるで姉妹ね」
親たちはそう言って、いつも見守ってくれましたね。
初めて出来た好きな人の相談にも乗ってくれて、
禁止されていた帰り道の買い食いにも付き合ってくれて
いいことも悪いことも共有出来る友達。
私は貴方に甘えていたのでしょう。
次第に、貴方をおろそかにして、他の友達と遊ぶことが増えていきました。
だんだんと開く貴方との距離。
そうして、小学校6年の時、大ゲンカをして
それ以来口もきかなくなってしまった。
私は失ってはじめて貴方の存在が私の支えになっていたのかを学びました。
全ては遅すぎたのです。
でも、こうしてお手紙を書きました。
私はもう後悔したくないから。
私の人生で本当の親友は貴方だけだと、今でも思っています。
こうして、冷静に手紙をかけるようになるのに
随分と時間がかかってしまいました。
それでも貴方に伝えたいのです。
私の親友でいてくれてありがとう。
あの時は、酷いことをしてごめんなさい。
もしかなうなら、もう一度友達をやり直したい。
心からそう思っています。
初霜 千鳥
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