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姉
お姉ちゃん
こうして手紙を書くのは初めてなので、なんだか緊張してしまいます。
私の人生の大半を一緒にすごして、
悲しいことも嬉しいことも見守ってくれましたね。
覚えていますか?
私が幼稚園に入園したときのこと。
おねえちゃんが私の手を引いて、園の入口まで送ってくれましたね。
お姉ちゃん子だった私は離れるのが嫌で。
「おねえちゃんと離れるのいや~!一緒に小学校にいく!」
そうだだをこねて困らせてしまったのに、
貴方はそんな私を叱ることなく
優しく、優しく、幼稚園は楽しいところで、お友達も沢山いること
先生も優しくて一日楽しく遊んだらあっというまにおうちにかえれると
諭してくれましたね。
つないだ手をはなしたとき、私は笑顔になっていました。
貴方の優しさのおかげで、勇気がでたのです。
あなたは私のお姉ちゃんであると同時にお母さんのような存在だったのです。
初めて好きな人が出来た時のこと、覚えていますか?
私はまだ好きという感情が呑み込めていなくて
それとなく相談をしたのです。
貴方は
「それは恋だよ」
そう教えてくれました。
自分では信じられなかったのに、貴方の言葉のおかげで、
私は恋という感情を受け入れることができたのです。
初めて失恋した日のこと、覚えていますか?
私はただただ茫然として、何をしても上の空でした。
そんな私の横にただすわって、
創作の変な歌を歌いだした貴方。
涙なんて引っ込んで二人お腹を抱えてわらいましたね。
「失恋は悲しいだけじゃない。
先に進むために必要なものなんだよ」
そう教えてくれましたね。
私、その言葉に救われました。
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