第1章

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剛田太一は短髪のガテン系、楠木悟史は長髪細めメガネの知的系、そして颯太は爽やか系という三者三様の個性だったが、3人とも180くらいの身長で顔もそれなりにまとまったトリオで、本当は街中なら目立つところだ。 残念ながら、ここ龍神平(たつかみだいら)のゲレンデではスノボ用のウェアとゴーグル、ニット帽で、ただの人だった。 「女っ気、ねー!!」 太一が叫ぶ。 「スノボがあれば十分だろ?」 颯太が本気で言っている。 「ふざけんな!お前には結菜、悟史には美希ちゃんいるけど俺は孤独だー!」 「太一、楽しそうだな」 「悟史!冷静に言うなー!」 「まあまあ、そんなことよりもっと滑ろうぜ!」 そう言って颯太は、さっさとリフトの方へ滑って行った。 「おい、待てよ!」 「やれやれ……」 そんな感じで楽しそうな三人だった。
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