【真実】

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※※※  テントでの事があってから、優雨ちゃんと夢ちゃんの様子を時折、心配そうな瞳で見つめている涼。  そんな事情も知らずに、さっきまで無邪気に川で遊んでいた夢ちゃん。  俺は夢ちゃんの可愛い笑顔を思い出すと、目の前にいる優雨ちゃんに向かって貝殻を差し出したーー 「ーーはい、これ。優雨ちゃんにあげる」 「えっ……、私? ……夢にじゃなくて?」  驚く優雨ちゃんは、そう告げながら俺のことをジッと見つめる。 「……うん。優雨ちゃんにあげるよ」  優雨ちゃんを見つめて小首を傾げると、俺はニッコリと笑ってそう答えた。 「……何で?」 「うん……。実を言うとね、本当は夢ちゃんにあげるつもりだったんだ」 「じゃあ、夢にあげたら?」 「もう、涼に貰ったみたいなんだよね……」 「……そう」  俺の発した言葉に、複雑な表情を見せる優雨ちゃん。 「あの2人は、両思いらしいしね……」 「え……っ?」  ポツリと小さく呟くと、驚いた顔をして俺を見つめる優雨ちゃん。 「そんな、事……誰が言ってたの?」 「うーん……。誰にも秘密だよ? さっきね、聞いちゃったんだ。涼が、夢ちゃんに告白するとこ。……で、涼が言ってた。両思いだねって」 「…………」    優雨ちゃんの様子をチラリと見てみると、表情こそ普段通りに見えるが……。その手は、小さく震えている。 「……あの2人は、両思いなんだね」  俺はハッキリとした声でそう伝えると、優雨ちゃんに向けてニッコリと微笑んだ。 ーーーー ーーーーーー ーーーーーーーー
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