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※※※
「きゃーーっっ!!!」
意を決して入った森の中は外から見るよりも真っ暗で、足元には道なんてものはなかった。
頼りない足元を注意深く進んでいると、動物によるものなのか、風なのか……。時折、カサッと葉が擦れ合う音が聞こえてくる。
ーーーカサッ
「いやぁーーっっ!!」
森の中はとても恐ろしくて、もう帰りたいと、ここまでに何度も心の中で思った。
怖くて怖くてーーもうそろそろ、限界だ。
森へ入ってからずっと叫んでいるのは、私ーー
ではなくて、朱莉ちゃん。私は、恐怖で声すら出せないでいた。
(今叫んだら、絶対に泣いちゃう……っ)
右隣にいる涼くんの腕にキュッとしがみつくと、必死に堪える。
ーーーガサッ
「きゃあぁぁーー!!!」
「ちょっ……朱莉。腕がもげるっ」
そんな声が、右隣から聞こえてくる。
あぁ……。朱莉ちゃん、涼くんの右腕に掴まってるんだな……。なんて思う余裕も、今の私にはない。
朱莉ちゃんの叫び声を聞けば聞くほどに恐怖心は増してゆき、ついに私の足はガクガクと震え始めた。
「……夢、大丈夫?」
そう言って私を気遣う涼くんの声は、酷く心配そうな声をしている。
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