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※※※
キャンプファイヤーも終わり、テントへ戻ろうと1人で歩いているとーー
少し離れた場所で、涼と優雨ちゃんが一緒にいる姿が目に留まった。
ーーどうやら、早速あの2人に動きがあったらしい。
クスリと小さく笑みを漏らすと、そのまま連れ立って何処かへと向かう2人の後ろ姿を、気付かれないよう注意しながら追い掛ける。
暫くして川辺へと辿り着くと、大きな岩場に腰を下ろした2人が、何やら会話をし始めた。
遠くで隠れて見ているだけの俺には、その会話までは聞こえなかったけれど……。
きっと、その内容は夢ちゃんの事に違いない。
ーーーカサッ。ーーー!?
「……奏多?」
音のした方へと視線を移してみると、茂みに隠れて涼達の様子を伺っている奏多がいる。
奏多も夢ちゃんの事が好きだから、夢ちゃん以外の人と何処かへ行く涼が気になったのだろう。
大方、涼が誰かと仲良くしようものなら、それを夢ちゃんに告げ口でもするつもりでーー
俺はその視線を奏多から川の方へと戻すと、岩場の上にいる2を見た。
すると、話しが終わったのか、おもむろに立ち上がった涼が岩場を離れようとした。
次の瞬間ーー
優雨ちゃんが、目の前の涼を川へと突き落とした。
ーー呆然とその場に立ち尽くす優雨ちゃん。
ーーーカサッ
音のした方へと視線を向けると、茂みから出てきた奏多が川の方を見つめながら立っている。
そんな姿を、ただ黙って静かに見つめる。
ーーすると、突然動きをみせた奏多は、クルリと身体の向きを変えるとそのまま歩き始めた。
あの光景を見ていたはずの奏多が、何故か川に背を向けてこちらに向かって歩みを進める。
俺は隠れていた場所からほんの少しだけ位置を変えると、真横を通り過ぎてゆく奏多の顔をチラリと盗み見た。
するとーー
その顔は、全くの無表情だった。
「…………。へぇ〜……」
それを確認した俺は、小さく声を漏らすと口元に弧を描いた。
再び川へと視線を戻してみると、優雨ちゃんは未だに岩場の上で立ち尽くしている。
自分がしでかした事とはいえ、その衝撃に放心してしまったのだろう。
「……ご苦労様、優雨ちゃん」
そんな優雨ちゃんに向けて小さく呟くと、俺は愉悦した微笑みを漏らしたのだったーー
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