【真実】

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※※※  手に持った花火を背中へとしまうと、ゴツゴツとした岩場を歩きながら川を眺める。  暫く歩くと、目的地へと辿り着いた俺は足を止めた。 「やっぱり……。探しに来て良かった」  そう小さく呟くと、岩を渡って更に近付いてゆく。 「……涼」  ニッコリと微笑むと、自分の足元へ向けてそう、声を掛ける。  先程、優雨ちゃんが涼を突き落とした場所からさほど離れていない川下で、傷だらけになりながらも岩に掴まっている涼。  俺はその岩の上に立つと、涼を見下ろして微笑んだ。 「……探してみて、良かったよ」 「……っ。……かえ……っ……!」  必死で岩に掴まる涼の姿が、それはなんとも無様でーー  抑えきれない歓喜に、思わずブルリと身体が震える。  俺はその場で屈むと、川の流れが早くて動けないでいる涼の手首を掴んだ。 「……これはもう、いらないよね?」  そう告げると、貝殻の付いたブレスレットを引き千切る。  それに顔を歪めた涼が、何かを言おうとし口を開くが、川の流れが早くて言葉にならない。 「邪魔な虫は、殺さないとね……。ーーばいばい、涼」  涼に向けてニッコリと微笑むと、手にした石で涼の頭を殴りつける。  その衝撃で、岩から手を離した涼は川へと流されてゆきーー  その数秒後、川にのまれた涼は完全にその姿を消した。  俺はゆっくりと立ち上がると、涼が消えていった川を眺めた。 (あぁ……。これでやっと、邪魔な涼がいなくなったーー)  そう思うと、凄く嬉しくてーー  目の前の川を眺めながら、ゆっくりと目を細めると口元に弧を描く。 「ーーあれ、……楓?」  不意に聞こえてきたその声に、ゆっくりと後ろを振り返る。  するとそこには、不安そうな瞳で俺を見つめている朱莉ちゃんがいる。 「……朱莉ちゃん。どうしたの?」  俺はそう声を掛けると、朱莉ちゃんに向けてニッコリと微笑んだ。 ーーーーーー ーーーー
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