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俺はそんな夢ちゃんをしっかりと抱きしめると、その視界を遮った。
「夢ちゃん……っ、見ないで。見ちゃダメだよ……」
大声を上げて泣き叫びながら、床に向かって崩れ落ちてゆく夢ちゃん。
それを追うようにしてしっかりと抱きとめると、夢ちゃんは震える指先で俺の背中にしがみついた。
ガタガタと震えながらも、大声を上げて泣き続ける夢ちゃん。俺はそんな夢ちゃんをしっかりと抱きしめると、安心させるようにしてその背中を摩り続ける。
(ごめんね、夢ちゃん。……怖いよね。大丈夫だよ、もうすぐ終わるからね。……もうすぐ、終わるからーー)
腕の中にいる夢ちゃんに向けて、心の中でそう囁くとーー奏多に向かって、何度もハサミを突き立てる優雨ちゃんの姿を眺める。
そんな光景に、興奮と喜びから歓喜した俺はーー
悦に震える身体を必死に堪えると、喜悦した微笑みを小さく漏らしたのだった。
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夢ちゃんと朱莉ちゃんを教室から出て行かせると、仰向けで倒れている奏多の方へとゆっくりと近付いてゆく。
腹部に俺のハサミを刺したまま、苦しそうな呼吸を繰り返している奏多。
「馬鹿だなぁ……、奏多。ーー助かったらダメだろ?」
奏多を見下ろしたまま、先程奏多が言っていた言葉を告げると、恍惚とした表情を浮かべる。
苦痛に顔を歪める奏多の姿に酷く興奮してーー
溢れ出る喜びに、ブルリと身体を震わせる。
(……今まで、ご苦労様)
俺はおもむろにその場に屈むと、奏多の耳元に向けてゆっくりと口を寄せる。
「ーーばいばい、奏多」
喜悦した微笑みを湛えながら、ニヤリと口元を歪ませた俺はーー
腹部に刺さったままのハサミを握ると、更に奥へと押し込んだ。
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