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※※※
「夢ってさぁ〜、涼の事が好きなの?」
「……えっ?!」
朱莉ちゃんからの突然の質問に驚くと、勢いで軽く地面に刺さっていたペグを引き抜いてしまった。
(あぁ……。やっと刺さったのに……)
呆然とそんな事を思っていると、少し強めの風に煽られてテントがぐらついた。
「わぁー! ちょ……っ夢! 何やってんのっ!」
焦った朱莉ちゃんの声に、ハッとする。
「あっ……。ご、ごめんね!」
急いでテントの端を掴むと、またペグを打ち込む作業に戻る。だけど、中々上手く刺さってくれない。
「……けどさー。涼は、絶対に夢の事が好きだよね〜」
カンカンカンカン
ペグを打ち込みながらも、再び話し始めた朱莉ちゃん。
「優雨もそう思うでしょ?」
「……そうだね」
興味がないのか、素っ気なく答える優雨ちゃん。
私はこの会話が恥ずかしくて、ただ黙々とペグを打ち込む作業を続ける。ーーそれにしても、刺さってくれない。
カンカンカンカン鳴り響くだけで、ペグは中々埋まってゆかず、ただただ右手の疲れが増す一方。
「できたー!」と言う朱莉ちゃんの声に焦って自分の手元を見てみると、ペグはまだ半分も刺さっていない。
「ーー私がやるよ」
いつの間にいたのか、自分の分のペグを刺し終わった優雨ちゃんが、すぐ隣にしゃがんで笑顔で右手を差し出してきた。
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