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※※※
夕食の後は、キャンプファイヤーまで2時間ほどの自由時間。
といっても、ここには川と、その川を覆うように茂っている森しかない。その川も、前日の大雨による水嵩の増量で入る事を禁止されている。
まだ明るいとはいえ、森へ入るのはやっぱり怖い。また何だかよくわからない虫がいるかもしれないし、熊なんかも……もしかしたら、いるのかもしれない。
そう思うと、余計に森へは入りたくなくなる。
とどのつまり、何もする事がないのだ。
トイレに行くと言う優雨ちゃん達を待つ為、今、こうしてテントで1人待っているのだけど……。
(……何だか、眠たくなってきちゃったなぁ。昨日は楽しみすぎて、あまり眠れなかったから……)
外に出ればまだ蒸し暑さがあるというのに、テントにいると日陰のせいかちょうどいい温度に感じる。
吹き込む風が、気持ち良いーー
(あぁ……本当に、眠たくなってきちゃった……)
我慢できない睡魔に、少しだけ横になってみる。
(トイレ、混んでるのかなぁ……)
「優雨ちゃん達、まだかなぁ……」
ポツリと小さく呟くと、重くなってきた瞼をそっと閉じた私は、睡魔に身を任せるようにしてそのまま意識を手放したーー
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「ーーめ」
(ん……っ。何……?)
なんだか、ユラユラと身体が揺れてとても心地が良い。
「ゆーー」
(……誰かが……私を呼んで……るの?)
心地良い揺れに身を委ねながらも、ボンヤリとした意識でそんな事を思う。
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