小5【夏】

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※※※  夕食の後は、キャンプファイヤーまで2時間ほどの自由時間。  といっても、ここには川と、その川を覆うように茂っている森しかない。その川も、前日の大雨による水嵩(みずかさ)の増量で入る事を禁止されている。  まだ明るいとはいえ、森へ入るのはやっぱり怖い。また何だかよくわからない虫がいるかもしれないし、熊なんかも……もしかしたら、いるのかもしれない。  そう思うと、余計に森へは入りたくなくなる。  とどのつまり、何もする事がないのだ。  トイレに行くと言う優雨ちゃん達を待つ為、今、こうしてテントで1人待っているのだけど……。 (……何だか、眠たくなってきちゃったなぁ。昨日は楽しみすぎて、あまり眠れなかったから……)  外に出ればまだ蒸し暑さがあるというのに、テントにいると日陰のせいかちょうどいい温度に感じる。  吹き込む風が、気持ち良いーー (あぁ……本当に、眠たくなってきちゃった……)  我慢できない睡魔に、少しだけ横になってみる。 (トイレ、混んでるのかなぁ……) 「優雨ちゃん達、まだかなぁ……」  ポツリと小さく呟くと、重くなってきた瞼をそっと閉じた私は、睡魔に身を任せるようにしてそのまま意識を手放したーー ーーーーーーーー ーーーーーー ーーーー 「ーーめ」 (ん……っ。何……?)  なんだか、ユラユラと身体が揺れてとても心地が良い。 「ゆーー」 (……誰かが……私を呼んで……るの?)  心地良い揺れに身を委ねながらも、ボンヤリとした意識でそんな事を思う。     
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