雪のない道
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「三年五組、 春日野雛、 鞄の中を見せてもらおうか」 彼女が俺を見上げる。 分かっているくせに、 というように、 眼鏡の奥の黒い瞳を小さく揺らす。 鞄を開いて、 小さな包みを取り出す。 そして、 余裕たっぷりに笑って、 こう言うのだ。 「このチョコレートは、 没収されるのかしら、 風紀委員長さん」
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