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「ずるいよ。唯!」
わたしは唯の悪魔みたいな顔を見て抗議する。悪魔の顔もわたしの顔が悪魔みたいになっているんだけどね。
わたしの顔を醜くしないでよ!
「ずるくなんてないもん! 自分の部屋の鍵を閉めるのは当然やろ。今はわたしが美加なんだから」
「そ、そんなことどっちでもいいからわたしに勉強をさせて」
「だから、させてあげるよ! 二年生の勉強だけどね」
またまた定規を振り回す唯。
「唯さん。あなたは、元に戻る気はあるの? 自分は二年生の勉強しなくてもいいの?」
唯の手に持つ定規の動きが止まった。
「わ、忘れていたわ」
忘れていたとは呆れてものも言えないよ。
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