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美加が投げ捨てた参考書が床に無残に転がっている。
「美加、拾いなさい!」
「嫌だもん!」
「拾えー拾うんや」
わたしは素直に従わない美加のほっぺたを思いっきりつねってやった。
「痛い離してよー」
「拾うまで離してあげへんで!」
「鬼、悪魔、人間じゃない!」
「なんやて、拾うの拾わないの?」
更に力を込めて、ほっぺたを引っ張ると、
「悪魔唯、分かったよー拾うから」
仕方なさそうに参考書を拾う美加。
ああ、良かった。力持ちに生まれて。
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